冬に生まれた瑠璃
【冬に生まれた瑠璃:その23】
こちらは、12/25の昼頃に羽化した4匹目です。
庭で見つけたのは、他の3匹より早い11/1のことでした。
シリーズ1枚目の「瑠璃になるために」で、
雀に食われてしまった蛹を覚えていらっしゃる方がおられるでしょうか?
この事件がきっかけとなって、
庭にいた幼虫を鳥と寒さから保護するための飼育が始まったのでした。
この4匹目は、その、食われた蛹の側にいた小さな幼虫、
その後姿が見えなくなったので、蛹とともに雀に食われたのだと思っていた幼虫です。
後になって、雀なら、棘棘のある幼虫は食わないのでないかと思い直して、
徹底的に探した結果、再発見したのが11月下旬。
既に他の3匹で既に手一杯だったので、自然に任せることにしていました。
他の3匹が一斉に蛹になってから約一週間後の11/27の夜、
4匹目も前蛹となってホトトギスの葉裏にぶら下がっているのを発見した時は、
野外のこいつも、やっと無事にここまで来れたかと、随分ほっとしたものです。
ところが、2日たっても前蛹のまま、普通なら見られる僅かな変化も見られません。
―待てよ。発見したのは2日前だが、そもそも一体いつから前蛹の状態だったんだ?―
心配になったところに、雨です。
これはいけない!そう思って、葉ごと室内に取り込んだものの、
室内に入れたその日も、翌日の朝も変化なし。
手遅れかと随分気を揉ませられた翌日の夜に、やっと蛹になっていたのでした。
・・・ルリタテハは通常、前蛹期間が約15時間、蛹日数が8~13日、
羽化は10月が最後で、9月から10月に羽化した個体が越冬する、とされています。
それ以降の時期に幼虫であった個体は、羽化できなかった記録ばかりで、
羽化に成功した記録は、私が探した限り見つかっていませんでした。
・・・今秋は暖かかったため、
9月から10月に羽化した個体が、越冬せずに産卵してしまったものと思われます。
寒ければ、幼虫の成長にも蛹の変態にも、それだけ時間がかかるようになりますが、
気温が5度を下回らないような環境であれば、
全ての段階に通常の数倍もの時間をかけながら、
徐々に成長して羽化する。ということが、今回判明したわけです。
前回までに御紹介した3匹も、心配になるほど成長に時間がかかりましたが、
4匹目は、前蛹日数が4日以上、蛹日数が25日、12/25に羽化。
私の知る限りの最長最遅記録の末、無事に蝶になってくれたのでした。
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Exif情報
- メーカー: CASIO COMPUTER CO.,LTD.
- モデル: EX-ZR500
- 撮影日: 2015/12/27 11:25:22
- 焦点距離: 6mm
- ISO感度: 80
- 絞り値: f/9.9
- 光源: 不明
- 露出時間: 1/320 秒
- 露出プログラム: ノーマル
- ホワイト・バランス: 自動
- 測光方式: 分割測光
- フラッシュ: ストロボ発光せず、強制非発光モード
- 撮影シーン・タイプ: 標準





















コメント
hanexさんの本シリーズは奥が深く、私にはすべて初物づくしです。
正に今回のキャプションも目から鱗です。
特に寒ければ時間をかけて、それも通常の数倍の時間をかけて、
ゆっくり、ゆっくり成長とは驚きました。
何と素晴らしい自然適合能力でしょう。
そして気温5度がボーダーラインとはすばらしい発見、見事な実験結果ですね。
生きるための潜在能力を見極める、という難しいテーマの一つをクリアされたようですね。
今回のhanexさんの長編シリーズの中で、私にとっては最もきらりと光る印象的な
出来事でした。
本シリーズの最後までワクワクとした気持ちで待ちわびております。
どんなフィナーレになるのでしょう。
期待しております。
KUSAMAKURAさん、大変光栄で大変嬉しい御言葉をありがとうございます!
シリーズ構成を頑張った甲斐がありました´▽`*。
ただ、本文で、
「気温が5度を下回らないような環境であれば、」
と申し上げたのは、
正確な「5度」ということではなく、
「ような」という言葉にこそ重きが置かれているということで、
御了承下さい^▽^;;
「5度」というのは、
ネットで見た「羽化しなかった事例」を見ていて、
自分で勝手に設けた基準でして、
飼育ケース内が、それを下回らないように注意はした、
というだけのものです^^;
4匹全部が生き残った、という結果ですので、
実際のボーダーは、もっと低い可能性が高いです。
実験をするならば、100匹ぐらいを集めて5匹ずつに群分けして、
「5度」に固定した冷蔵庫に蛹化初日から10日間入れておいた群・・・、
とか、様々な条件に置いてテストして、
全滅するまで徐々に様々な条件を厳しくしていくことが必要なんでしょうね。
今どきは、小学生や中学生が、
そういう貴重なデータを提供してくれています。
ルリタテハの耐寒実験は見当たりませんでしたが、
そのうちやってくれる子が現れるかもしれません。
だけど、私の最優先目的は、蝶を死なせないこと!
部屋の暖房を入れず、ぎりぎり低めの温度を保とうとしたのも、
放蝶した後、外の寒さの中で生きてゆける立派な越冬個体にしたかったから
に他なりません。
温度が低すぎたかと、途中何度も後悔しましたが、
全部が生き残ってくれて、本当に良かったです。
厳密に何度がボーダーなのか知りたい、という気持ちも実際湧きましたが、
そのたびに、そこまでの「まっとう」な実験は、
私にはできないなとも思っていました。
へたれです。ただの飼育者で良かったです^^;
思えば様々な目的を欲張りながら、どれも色々と徹底不足だったりする
今回の長い長いシリーズの、これまた長くなりすぎてしまう本文でした。
そんな、我ながら申し訳ないような長文を、
丁寧に読んでいただいて光栄な御言葉までいただいて、いまここに至ること、
改めて深い深い感謝を捧げます。
お陰さまで、何とか最後まで走れそうです。
何時もありがとうございます´▽`