審査員のコメント

非常に大胆なフィルターテクニックで一際インパクトがありました。まさに作品群の中で光り輝いていた印象で、太陽光線の力強さをクロスフィルターで強烈に演出することができました。これがただの逆光のみであったらここまでインパクトある表現にはならなかったでしょう。主役の被写体に光があたっているのはストロボ光か照り返しでしょうか。立体的に光をコントロールして個性的なスナップポートレートの表現になりました。

審査員のコメント

ボンネットに映り込む星々と火球の青白い線が印象的な作品ですね。火球は撮ろうと思ってもなかなか撮影できるものではありません。だから運が良かったですねと言ってしまいそうですが、本作品はボンネットに天の川を写し込む努力を行っています。しかも車へのこだわりも感じます。努力をする事で幸運を引き寄せた作品だと思います。

審査員のコメント

今回のコンテストに応募された作品はどれも素晴らしく、楽しみながら見させていただきましたが、最優秀作品を選ぶのは一苦労でした。その中で選んだ作品は見た瞬間、これだと思いました。写真はギリシア語の“φως”と“γραφή”に由来し、「光による描写」という意味です。この作品はまさに本来の写真の意味を表し、クリエイティブな写真を現すものになっています。作者は撮影のシーンを見事に選べており、準備と最終の仕上げも申し分ありません。ペイントブラシのように離陸している飛行機のビーコンライトが、NDフィルターを使うことで、空の中で長い跡が残るのにほどよいシャッタースピードが得られています。この長時間露光による効果は、まさにフィルターがなければできないもので、写真アートにおけるフィルターの重要性を改めて考えさせられました。

審査員のコメント

千枚を超える最高レベルの作品の中からベストなものを選ぶのは簡単なことではありません。私が選んだ作品は飛び抜けて素晴らしい一枚だと思います。小さな人間が置かれた壮大な夜景という構想は、この作品を特別なものにしてくれます。この作品をじっと眺めると、背景の中にいる自分をイメージすることができます。散歩中に思いにふけっている様子や、座って夜景を楽しんでいるかのような人物は一体何を考えているのだろうか、と。作品を見る度に毎回異なるストーリーが思い浮かんできます。この作品を見る人は自分なりに雰囲気を感じ、それぞれ違う感情に浸ることができます。この効果があるかないかが、一般的な写真と優れた作品を区別する基準となります。シャッターを一回切っただけで完成した、ストーリを感じさせる写真はいつまでも特別なものです。

審査員のコメント

この詩的なイメージは、写真家が撮影現場で理想的な撮影方法を見つけ出した結果、言葉の介在を不要とする詩的なイメージを作り出したものである。中濃度のグレーのフィルター（ND）により、より長い時間のスローシャッターを切り、神秘と美しさを表現できています。詩的な写真は、まるで地上の楽園のように、偉大な美と無イメージの領域に到達しています。作者が周到に準備をしてを応募した作品であり、審査員にもその作品が自然と支持されるものになっています。写真は一瞬の感動であり、シャッタースピードが変わると同時に、被写体の「描写」も変わります。スローシャッター撮影は、秒、分、時間を圧縮して1枚の写真にする、時間そのものの凝縮された姿でもあります。「スローシャッター撮影」の楽しみを探ることで、新たな視点で世界を発見することが出来ます。スローシャッター撮影は、直感から想像力へ、量から無へ、技術力を駆使して、神秘と美を写し出します。機械的なものから思考へ、高度な芸術的な再創造、異なる視点の衝撃を捉えていくものです。ゆっくりとシャッターを開けて行う撮影は、決してスローシャッターで撮影する写真というだけではありません。美しさ、文脈、思考、感情を写し出す高次の領域のものです。

審査員のコメント

この写真は、ひと目見たときのインパクトが非常に強く、まるで筆で描いたような空の雲やコスモスを印象的にワイドレンズで捉えています。NDフィルターによるスローシャッター表現により、生まれた描写と想像できますが、まるで絵画のように見えるファンタジックな表現が独特であり、NDフィルターの新たな可能性を見せている作品と考え、ケンコー・トキナー65周年記念特別賞に決定しました。

審査員のコメント

まず、N700系新幹線のインパクトのあるサイドビューが目を惹きました。日中で早いシャッタースピードとなるところを、NDフィルターの活用により、流し撮りを成立させています。さらに、適切なシャッタースピード設定により、背景となる有楽町付近の光景を、赤のインパクトとともに見事に流しています。NDフィルターの可能性を引き出した作品として、ケンコー・トキナー特別賞に決定しました。