雌の周囲を飛び回る
地味な色の雌の周囲を飛び回りながら、足を盛んに動かしている雄のカワトンボ。
求愛のように見えますが、実は交尾の後。
・・・多くの昆虫の雌は、交尾した相手の精子をストックしておいて、
好きなときに好きなように使って子供を産み分けることができます(雌雄も産み分けします)。
ところが、カワトンボの雄は、交尾の際に、
雌がストックしていた他の雄の精子を廃棄させて、
自分のものに置き換えることができるのでした
(「精子置換」と呼ばれています)。
その技があってのことでしょうか、
カワトンボの雄たちは雌を見つけると、求愛もなく強引に交尾を仕掛けるように見えます。
求愛プロセスを楽しみにしていた私はガッカリ・・・だったのですが、
交尾の後になってから、
雌にまとわりついたりアピールしたりする雄の行動パターンに気づきました。
考えてみれば、雄は雌と交尾して精子置換をすることはできますが、
自分の精子を使って産卵してもらえるかどうかは雌次第。
産卵しないまま他の雄と交尾されてしまったら、今度は自分の精子が捨てられてしまうのです。
そこで、雌が逃げないように囲い込みながら、
今すぐ産卵してくれるようにお願いしてアピールしている・・・のかなと思いました。
今年は主に飛翔を狙いながら、
「ただの飛翔でもなく、教科書的な交尾とかでもない、
もっと面白いシーンに巡り合いたい」と思っていた、
その願いを何とかギリギリ適えることができました^^。
後は、もっと面白く、もっと美しく。ですね^^;
※済みません、うろ覚えで「精子交換」と書いていましたが、
正しくは「精子置換」でした(18:44に本文修正しました)^^;。
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Exif情報
- メーカー: CASIO COMPUTER CO.,LTD.
- モデル: EX-ZR500
- 撮影日: 2017/06/04 13:24:16
- 焦点距離: 26mm
- ISO感度: 200
- 絞り値: f/5.7
- 光源: 不明
- 露出時間: 1/1000 秒
- 露出プログラム: ノーマル
- ホワイト・バランス: 自動
- 測光方式: スポット
- フラッシュ: ストロボ発光せず、強制非発光モード
- 撮影シーン・タイプ: 標準









































コメント
精子のストック、雌雄の産み分け、精子の交換・・・。
こんな変わった生態の生き物が世の中にいるとは驚きです。
こうして強い子孫を残していくのでしょうか。
誰がどのようにして解明したのか、知りたいくらいです。
面白いシーン、美しいシーン、大いに楽しみにしております。
自分の子孫を残したいという人間も含めた動物の本能なんでしょうね。廃棄させるという特異な行動はカワトンボに限ったことなんでしょうか?他のトンボはどうなんでしょうね? ところで交尾が済んだからといって、そんなにすぐに産卵ってことにはならないでしょう?ずいぶんと用心深いんですね^^;人の目にはとまらないところで、生きものたちの営みが日々繰り返されてるんですね!
いや〜 カワトンボの生態には驚くばかりです!
特に精子交換… 言葉も初めて聞きましたが
カワトンボが自分の子孫を残すためには大変な苦労があるのですね〜
いつもながらhanexさんの観察力には頭が下がるばかりです。
蜂とアブシリーズも勉強になりましたが
流石のhanexさんも知らないことがまだまだあるのですね (^^♪
KUSAMAKURAさん、すみません、「精子交換」でなく「精子置換」でした^^;
でも、驚きですよねえ。
カワトンボの「精子置換」を発見したのは、
アメリカのワーゲ(Waage)という人で、1979年のことですが、
学会でも衝撃だったそうです。
日本のカワトンボでも、椿宣高博士によって詳細に確認されているそうです(1989年)。
精子のストックと、雌雄の産み分けについては、いつ発見されたものやら。
蟻とか蜜蜂とか、年に一度の婚礼飛翔の一回の交尾だけで、
女王が生涯卵を産み続けるということは、
随分以前から知られていたことですからね・・。
むしろ、「昆虫の雌は一生に一度しか交尾しない」と長い間思われていたのが、
蝶などでは複数回もあるんだと、最近分ってきたような具合です。
人間の、いや哺乳類の常識では考えられないことですよね。
SFでも見るようで、私など、ワクワクしてしまいます^^。
今年、テリ張り静止以外のカワトンボも撮れるようになってきて、
やっと、いかに面白く、いかに美しく魅せるかという方向に
気持ちが切り替わりつつあるような気がしています。
KUSAMAKURAさんを目標に、トライを続けたいです。
何時も励みになる嬉しい御言葉をありがとうございます^▽^
やす坊さん、何時も楽しんでいただけているようで嬉しいです。ありがとうございます^▽^。
カワトンボの「精子置換」の発見は衝撃的だったらしくて、
多くの学者が研究に着手した結果、
いろいろなトンボや、トンボ以外の昆虫や烏賊とかでも報告されているようです。
>ところで交尾が済んだからといって、そんなにすぐに産卵ってことにはならないでしょう?
いやいやいや。すぐに産卵なんですよー。
我々哺乳類の感覚ですと、
受精してから長い妊娠期間を経た後に出産、ですが、
昆虫に「妊娠」はありません。
雌が産卵時に自分の卵と手持ちの精子をかけ合わせるのが「受精」でして、
産卵=受精させた後は、自然の中に放置。なんです。
産卵するのに必要なのは、自分の卵と手持ちの精子のみ。
だから、成熟した卵を持った雌であれば、交尾直後に産卵できるんです。
そろそろ卵が成熟したので産卵したいと思った雌が水辺にやってくる、
それを水際で捕まえて、産卵に使う精子を自分のものにチェンジしようと、
そういう企みなんですよ、元々トンボの縄張り張りって。
トンボが水辺に沢山いるのは、
雌が産卵しに水辺にやってくるのを待ってる連中なわけです。
(実は普段雌の住む林の中、木の上で交尾する雄も一定数はいるらしいのですが、
人の目にはなかなか止まりません)
産卵直前を捕まえて上手いことやってのけたはずの身としては、
早く産卵してほしくて焦るような気分・・・じゃないかって気がしています^^
amandaさん、すみません!「精子交換」でなく、正確には「精子置換」でした^^;
オオシオカラトンボとかの雄が、産卵する雌の周囲を飛び回るのを、
産卵警護というんですが、
それは見たことがありました。
で、この産卵警護は、本当は雌を警護してるんじゃなくて、
他の雄に雌を奪われないようにしてるんだ、とも多くの記述では書かれているんですよね。
だから、「他の雄に奪われないように雌の周囲を飛び回る」行動については、
よく知られているものだったにも関わらず、
私が思いつかなかっただけ・・・のようでもあります^^;
私が知らないことは凄く多いです。
多いからこそワクワクもするんですよね^^;
いつも楽しんでいただけているようで、大変に嬉しいです。
何時もありがとうございます^▽^
なんと摩訶不思議な生き物ですね 精子置き換えが出来るなんて
捨てられた雄は大ショック このあたりは人間社会と同じですね。
少し羨ましくもあり ですね。
helmetさん、ありがとうございます^^。
この技があれば雄はもう子孫を残すためには、何の心配もないかと思いきや、
交尾が終われば今度は自分がやり返される側に回ってしまうという。
精子の置き換えなんて、最初に知った時は私もびっくりしましたが、
学会でも世界的にセンセーショナルな発見だったようです。
昆虫の世界も広く、数も多いですから、
まだまだ分っていない生態が沢山あるようなんですよー。
これも、昆虫を観察していてワクワクすることの一つなんですよね^^ノ。