冒険家の背中(羽化後4日め)
【冬に生まれた瑠璃:その19】
時間をかけた食事が終わると、
「冒険家」は窓に飛んで、翅を高速で開閉させながら歩き始めました。
その、開いた瞬間を狙って撮った1枚です。
光の当たり方で様々に見えるというルリタテハの翅を、
やっと青く撮ることに成功した1枚にもなりました。
羽化後2日めの木曜に撮った「冒険家の背中」に比べて、
乾いて張りがあるように思えます。
何より、背中の毛の間から見えていた皮膚が、殆ど見えなくなっているのでした。
代わりに・・・。
水色の帯の外側にあって、翅をぐるっと取り巻いているはずの紺色部分が、
右前翅の一箇所で、ぱっくりと裂けているのがお分かりでしょうか。
前回の放蝶失敗から2日間、私は蝶たちを厳重に閉じ込めていました。
2日間、脱走した個体もなく、何事もなかったと思っていました。
しかし、何度も脱走してきた「冒険家」です。
実際は脱走を試みていた・・・のではないでしょうか。
翅が裂けるほどの激しさで!
これはもう、放蝶しないという選択肢は考えられないと思いました。
左手に乗せて、右手で少し窓を開けてみた・・・
その瞬間、もう空の彼方、太陽の近くにいて、次の瞬間には見えなくなっていました。
カメラを構える余裕もないスピードでした。
前回放蝶を試みた木曜より気温は低くて、最高で12度の予報でしたが、
十分だったようです。
お前があんなに求めた外の自由な世界だよ。
どうか、長い冬を生き延びろよ。あんまり無茶するなよ。
「冒険家」に最後にかけてやりたかった、そんな言葉の数々は、
心の中で語りかけるしかありませんでした。
(続きます。)
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Exif情報
- メーカー: CASIO COMPUTER CO.,LTD.
- モデル: EX-ZR500
- 撮影日: 2015/12/19 12:24:54
- 焦点距離: 6mm
- ISO感度: 80
- 絞り値: f/9.9
- 光源: 不明
- 露出時間: 1/160 秒
- 露出プログラム: ノーマル
- 露光補正値: -0.3
- ホワイト・バランス: 自動
- 測光方式: 分割測光
- フラッシュ: ストロボ発光、強制発光モード
- 撮影シーン・タイプ: 標準

























コメント
冒険家は無事に旅立ちましたか 心配やら 淋しいやら 何時かその手に ビュゥーと止まりはしないか 興味津々です。
素晴らしい感動の一瞬ですね。
hanexさんにとっては手塩にかけて、ハラハラドキドキの連続で
育てた可愛い子供が遠く旅立つ心境ではないでしょうか。
キャプションの最後の祈りにも似た心の中の語りかけが
ズシンと来ました。
大きく広げた美しい翅。私の大好きな美しい群青色と
そこに吹き付けた白い粉が青みを帯びたこれも美しい斑。
もうたまりませんね。
右前翅の裂け目は「冒険家」の正に勲章でしょう。
これからは新しい世界であまり無茶をしないで、
でも冒険家に相応しく元気に羽搏いてほしいものです。
helmetさん、何時も暖かい嬉しい御言葉をありがとうございます^▽^。
気がかりなことの一つが、
人間の手に止まると、美味しいものを貰えるということを、
学習させてしまったかなという事だったりします。
私と他の人間を識別する能力は、彼らには無いと思うのです。
どうか、蝶を見たら標本にしようと思う人の手には、止まりませんように。
冬を生き延びていれば、そろそろ飛び回り始める頃だと思います。
もしも、helmetさんの手にビュゥーと止まる青い蝶がいたら、
我が家出身ではなくても、似たような感じで飼育された蝶かもしれません。
そんな事があったら、果物でもポカリでも持っておられたらあげてみて、
どうぞ歓待してやって下さい^^。
KUSAMAKURAさん、クライマックスらしい本文が書けていましたでしょうか゚▽゚。
もー、本文を書く時間もなかなか取れなくて、
今回は、やっつけのように大急ぎで書いてしまって、
見直す時間も取れずに投稿してしまったので、
何時に増して心配だったんです。
良かったです。とても嬉しいです´▽`*。
蝶は、活動的であるほど寿命は短くなるといいます。
活発な上に、何かと軽挙妄動の目立つこの個体、放すのは大いに不安でしたが、
何よりも自由を愛する、といった行動を見せ続けてきた個体でしたからねー。
閉じ込めておくことは、考えられないですよね。
同期の仲間より寿命は短いかもしれないけれど、
冒険家らしく思う存分、外の世界で活躍してほしいです。
今回のシリーズの中でも様々に「活躍」してくれた「冒険家」の、
最後の一枚をどれにするか・・・。これも、悩みました。
この個体の背中は、
「羽化中の表翅」と、羽化後2日目の「冒険家の背中」と見ていただいたので、
羽化後4日目の背中を投稿すれば、
表翅がどう変化して行くかも追っていただけるようになる、と思いました。
比較してもらうためには、似たような色でアングルのほうがいい。
と思う一方で、
バリエーションも持たせたい、青く撮れた1枚があるんだから、それを投稿したい。
という思いもありました。
こちらを投稿して良かったです。これぞルリタテハですよね^▽^。
沢山の安堵と嬉しさ、そして元気と勇気をいただきました。
2枚投稿する予定が、今回も1枚しか用意できなかったりして、
走りながら顎が出てゼイゼイハアハアといった内幕ですが、
おかげさまで、あと一息、頑張れそうです。
何時も嬉しい、そして温かい御言葉を、沢山沢山ありがとうございます^▽^