花より手―太陽に向かってどんどん歩く
【冬の寒さを乗り越えろ!:その13】
今回は、1/3の羽化当日のその後の話です。
今の季節なら羽化当日はまだ飛べないことが、昨年の経験から分っていました。
羽化当日という理由で食事できないことも、考えられましたが、
心配なことがあったので、給餌を試みることにしたのです。
何しろNo.4は、蛹の時に、体から赤い長い糸を何本も伸ばすという異常な姿でした。
風の吹く自然環境であったなら、長い糸が何かにひっかかって、
蛹がほつれてバラバラになっていたのではないかと思われるような。
室内だったのが幸いしてか、無事に羽化したように見えたものの、
この異常の件はずっと気になっていました。
No.4は幼虫の時にも、見たことのない幾つかの特徴を持っていました。
その中で、今になって気になっている一つは、
通常3日、昨年冬でも5日ほどだった終齢幼虫期間が14日以上と長かったこと。
(幼虫期間の異常な長さは、それだけで死亡フラグとされています。)
もう一つは、葉の固い芯を残して柔らかい部分だけを食べるという、特徴的な食痕。
柔らかい部分だけを食べるのは、贅沢な偏食なんだと思って、
「王女様」を連想していたのですが、
もしかしたら、顎の形成に問題があったのではないかと思いついたのです。
顎の形成に問題があったために、柔らかい部分しか食べられず、
食べるのにも長時間がかかって幼虫時代が長くなり、
蛹になる時にも口で糸を操りきれずに、長い糸を垂らすことになったのではないか・・・。
幼虫の顎が蝶の口吻(ストロー)に変わるので、
蝶になってから正常な口吻になって食事ができるかどうかが、
一つのポイントだと思われたのでした。
さて・・・。
指で足をつつくと、No.4は、あっさりと私の手に乗り移ってくれました。
左手に乗った蝶の顔に右手で蜜柑を近づけると・・・口吻(ストロー)が伸びてきました!
見る限り、口吻(ストロー)の形は正常で、統合も成功しているようです。
伸ばすこともできるということです。
やった、と思って、その口吻の先に蜜柑をあてがうようにしたら・・・。
これまでの蝶は、これで食事を始めてくれたのに、
No.4は蜜柑に乗り、蜜柑を摘んで汁を絞り出している私の右手の指に乗り、
指から手の甲、手首、肘と登ってどんどん歩いてくるのでした、
その間じゅう、私の皮膚や服にストローを這わせながら・・・。
違う違う。右肩に向かって登攀中の蝶の口吻に、
今度は左手に持った蜜柑を近づけると・・・
今度も蜜柑に乗って、蜜柑から私の指に乗り、手の甲に移り・・・。
以下右手と左手を行き来する、繰り返しです。
手では不自然なのかと、手から天然の花の上に移らせてみました。
すると、花なんか食えるかとばかりに、ストローを丸めて収納してしまいました。
そのままどんどん歩いて、花を通り越して葉先に向かっています。
どうやら、太陽の方角をめざしているのでした。
(右下の写真は、蜜柑を掴んだ私の手を登攀中の姿、左上は花に乗せた時の姿です)
空腹ではないけど、匂いだけで口吻は伸びたということなのか。
空腹だが蜜柑は口に合わないのか(昨年のルリタテハ全員に大人気だった蜜柑なのに!)。
それとも、口吻に欠陥があって、吸うことができないでいるのか。。。
羽化直後は食事しないというだけの可能性も大なので、
この日は、ここまでにして、蝶をダンボールの中に戻しました。
暖房を遮断してから覗いてみると、蝶はもう眠っているのでした。
(続きます。)
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Exif情報
- メーカー: CASIO COMPUTER CO.,LTD.
- モデル: EX-ZR500
- 撮影日: 2017/01/03 14:26:27
- 焦点距離: 6mm
- ISO感度: 80
- 絞り値: f/3.9
- 光源: 不明
- 露出時間: 1/60 秒
- 露出プログラム: ノーマル
- 露光補正値: -0.7
- ホワイト・バランス: 自動
- 測光方式: 分割測光
- フラッシュ: ストロボ発光、強制発光モード
- 撮影シーン・タイプ: 標準






























コメント
キャプションを読み進みながら、一体どうなっていくのだろうかと
気を揉みました。
hanexさんの詳細な観察による行動はやはりハラハラものです。
赤い長い糸をはじめ,いくつかの特徴を持っているNO.4は
矢張りこちらも思い入れが強くなりますね。
太陽に向かって前進・・・。
次のステップが待ち遠しいです。
NO.4の翅の表と裏、しっかり見せていただきました。
矢張り美しい個体ですね。
KUSAMAKURAさん、またまた、これでもかという長文になってしまいました本文と
写真の両方を、
丁寧に見て下さって、またまた沢山の嬉しい御言葉!何時もありがとうございます^▽^。
No.3は羽化した時には暖房していなくて寒かったせいか、
足をつついても、断固として蛹殻から離れなくて、
給餌もできなければ、表翅も殆どおがめませんでした。
その点、No.4は、暖めたのが功を奏したのか、
あっさりと手にも乗ってくれたし、ストローも伸ばしてくれたので、
最初は上手くいく、と思ったんですよねー。
まさか蜜柑をあてがっても、足場としか認識しないとはーー;
結構なペースでどんどん歩くので、
片手に蝶、もう一方の手に蜜柑の繰り返しでは撮影もできず、
給餌を半分諦めることで、やっと何枚か撮らせてもらえました^^;
自然環境でも、暖かくて歩くことができれば、
飛べなくても、こうして、どんどん歩いているのかもしれませんね。
歩いてでも太陽をめざす!ちょっと、ほっこりしました^^。
次は、羽化翌日の1/4の話です。
羽化翌日となると、昨年飼育した蝶は飛べるようになって、食事もしてくれたのですが、
No.4は果たして・・・。
次はまだ準備中ですが、励ましをいただいて元気が湧いてきました。
頑張ります。ありがとうございます^▽^
これは又厄介なことになりましたね・・・口吻に欠陥があるのか お腹が空いていないのか・・・
原因不明の それに徘徊 どうなるのでしょう。
根気の要る飼育 お疲れ様です。
helmetさん!そうなんです!
そういう心配で頭がいっぱいになってしまって、
少しの撮影も、
肉眼では追えない口吻の動きと状態を調べる目的メインになってしまって・・・。
この日に撮った写真の中で、美しさか面白さがあると言えそうなものは、
この2枚だけでした^^;
そんな、偏ったテーマの話を書いて、
長いにも長すぎることになってしまった本文を、
丁寧に読んで分って共感していただけて、
とても嬉しいです^▽^。
【その15】で、1/7に再給餌する話を書く予定で、現在準備中です。
羽化後4日間、完全に飲まず食わずだったところへの給餌となるのですが、
果たして・・・。
大変励みになりました。
準備、頑張ります。いつもありがとうございます゚▽゚。