SG-G フォトコンテスト・審査結果発表ページ
■ 総評 ■
SGギャラリーフォトコンテスト第8回目も力作が揃いました。今回の入選作のほとんどから、撮影前からテーマを設定していて、思い描いたイメージに近づけるための撮影方法の工夫が感じ取れました。普段からこうして撮影している方には当たり前のことのようにとれるかもしれませんが、実は偶発的に出会ったシーンを前にシャッターを押し、偶然に見栄えのする写真が撮れただけという方が多いのです。もちろん、偶然訪れた最高のシーンをフレームに納めることも普段からの力量が試されるもので、その結果を残すことも写真の醍醐味です。しかし、本物の良い写真とは、撮影者の「 思い 」を伝えるための工夫が施され、その工夫が「 思い 」を表現できているものであって欲しいと私は考えています。そうした努力をされている撮影者には、偶然ではなく、必然として最高のシーンが訪れことがあります。今回の入選上位3作品は、普段からの「 思いを伝えるための創意工夫 」の努力の結果、必然的に訪れた最高のシーンを切り取った作品だと思います。
薮田 織也
グランプリ 1 名 賞金 10 万円
作品名:
忍び寄るハンターの影
撮影者:andante 様
● 作者コメント ●
横浜市街地 晴天
PLフィルター使用。カンナの葉脈に当たる直射日光、そして影を撮る為に、光の乱反射によるハレーションなどを抑えるため使用しています。すっきりと抜けるような画にするためです。
バックに写るカマキリと葉を、どううまく処理するか悩みました。ぐずぐずカマキリは移動してしまい、葉脈から外れてしまいます。構図など苦労しました。
■ 講評 ■
写真は線と面によって構図を構成し、光の明度と彩度で表現するアートです。応募作品の中に光と影を意識した作品はたくさんありましたが、本作品は線と面、明度と彩度のいずれをもきっちりと押え、極めてシンプルに画を構成している良作です。全審査員の高得点を得てグランプリに輝きました。本作品の唯一のマイナス点は構図が少し甘いことです。カマキリの向いている方向( 見えない視線の向き )を意識すれば、上方に空間を設けるか、作品名の忍び寄る…を意識すれば、カマキリの向きを左上から右下方向に向けた方がよかったかもしれません。副題である葉脈を美しく納めることに意識が捕らわれ、主題であるカマキリの位置と向きが少し曖昧になってしまいました。撮影者ご本人もステートメントで書かれているように、被写体が動く生き物であるため、狙ったイメージで構図を決めるのはなかなか大変だったと思いますが、撮影者の優れた力量を考えると次回にはさらなる良作を期待せざるを得ません。
薮田 織也
ケンコー・トキナー賞 1名 トキナーレンズ
作品名:
不思議な旅へ
撮影者:ru-yun 様
● 作者コメント ●
背景にパープル色のビニール系を使用し、もう一つの世界を演出するため、屋外スタジオを作り撮影しました。
蟻が多い公園内の場所で撮影しましたが、思ったように蟻が来なく、やっときても動きが早いためピントを合わせる事が難しく、半日かかってこのカットを撮影する事が出来ました。
■ 講評 ■
自由テーマということで、バラエティに富んだ作品を楽しく拝見させていただきました。シャッターチャンスや被写体に恵まれた力作ばかりで、選考にはずいぶん悩みました。
私が選んだ「不思議な旅へ」は、水面の滑らかさや透明感、背景の奥行き感など、独特な世界観を表現している点に惹かれました。
一見すると偶然の産物のようですが、実際は屋外にスタジオを作り、半日かけて撮影したということで、背景や光線状態、構図も計算され尽くされている作品です。 三脚を立て、一瞬のシャッターチャンスを待ち続けた熱意には頭が下がります。
柴田 誠
ベルボン賞 ベルボン製一脚
作品名:
ここまでおいで!
撮影者:ketunori 様
● 作者コメント ●
生後1カ月の子猫を撮らせてもらってきました。
飼い主のおじさんがよっぽど好きなのか、網戸によじ登ったところをゲキシャしました!
■ 講評 ■
写真が他の芸術と異なる点は「シャッターチャンス」でしょう。この作品は網戸にしがみついた猫の後ろ姿、男性の優しい眼差しとポーズ、その絶妙な瞬間を淡い暖色のトーンと構図で捉えています。被写界深度の操作に加え、網戸によって微妙に男性にソフトフォーカスがかかり、猫が浮き上がっています。洗いざらしのTシャツや網戸のホコリにさえも生活感=文化が写し込まれているようです。実は最初に10点ほど選んだ時にはこの作品は入っていなかったんです。一夜明けて、最も印象に残っていたのがこの作品でした。美や自然現象を追求した作品が多い中で、日常の微笑ましい一瞬を切りとった、写真でしか表現できない素晴らしい作品だと思います。
高崎 勉
入選作品一覧
作品名:
葉陰空蝉
撮影者:写創 様
● 作者コメント ●
霧の中、葉の陰にいた空蝉をストロボ撮影しました
作品名:
老いに負けじ
撮影者:ヒサオ 様
● 作者コメント ●
日光男体山の登拝祭
8月1日0時に山門が開き、登山開始。90歳を超えた老人が太鼓をはたきながら開門を待つ登山者を優しい眼差しで迎えていた。
その眼差しに登山者は緊張を解かれ、開門を待っていた。
あの眼差しと微笑みにはなんとも言えない魅力を感じ、勇気を貰った人は多かっただろう。
作品名:
黄色い滑り台
撮影者:nagomi 様
● 作者コメント ●
黄色のガーベラの花びらに水滴を乗せました
作品名:
風ともに踊る
撮影者:ゴリさん 様
● 作者コメント ●
滋賀県長浜市で毎年開催される「あっぱれまつり」での光景です。
よさこい祭りですが、どのチームも熱気に包まれていましたが、その中で、爽やかな雰囲気を持ったチームの踊りです。
作品名:
透け感…
撮影者:Miya Plufeliz様
● 作者コメント ●
浴衣の涼しさを感じる…
作品名:
飛来
撮影者:フォト自由人 様
● 作者コメント ●
花壇店の花にミツバチが飛来しました、フィッシュアイコンバーターを付けてマクロモードで接近して写しました。
小さな生き物を周りの状況が解るように写したいと思いました。
作品名:
夫婦滝の光芒
撮影者:UZOU 様
● 作者コメント ●
熊本県南小国町の夫婦滝の光芒です。
三脚を持っていなかったため、セルフタイマーを使って手持ちで撮影しました。
作品名:
かくれんぼ
撮影者:cyacya 様
● 作者コメント ●
何時飛び立つか、ハラハラしながらの撮影でした。
作品名:
腹が減っては・・・
撮影者:wangan30 様
● 作者コメント ●
パレード中の小休止
自分も食べてるかの様な仕草を撮りたかった。
作品名:
太陽の帰り道
撮影者: kouro 様
● 作者コメント ●
石狩川の河口で撮影。対岸の灯台の先端に太陽が落ちるように、予め撮影位置を探しました。経験からこの時期の太陽はほぼ45度に落ちることがわかり、45度の三角定規を厚紙で作り、斜辺の両端に、太陽と灯台が来る位置を探し、約3時間の長時間露光をしました。ポジフィルムを使い、IR70のフィルターで撮影、日没直後に周囲を写し込むために再度露光して出来上がったのがこのカット。予定通りの出来上がりでした。
作品名:
シルエットロマンス
撮影者:ブルー 様
● 作者コメント ●
東京都 和田倉噴水公園
作品名:
星を見る夜
撮影者:OYAJI 様
● 作者コメント ●
先日彼女と星空を見に行ったときに撮った写真です。
とても星空が綺麗でいい雰囲気でした。
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